夏だからこそ観たい傑作映画 - マッドマックス 怒りのデスロード
きみの...じゃなくて「俺の名は」
日本で夏といえば、トトロ、君の名は、サマーウォーズ、時をかける少女などなど
思い出す映画やアニメなど多いことでしょう。
ただ、暑いからこそ熱い映画を見るのはいかがでしょうか?
ということで、「君の名は」ではなく「俺の名は...マックス」でおなじみ
『マッドマックス 怒りのデスロード』について感想を書こうと思います。
※なんで今更とかはなしで、、、w
世界中から大絶賛。日本でもオールタイムベスト級との声多数
国内の各種映画レビューサイトではこのような評価が出ています。
映画.com :4.1
Yahoo!映画:4.2
Filmarks :4.0
アクション映画ファンや、ストレス解消したいなら打って付けの作品でしょう。
ただ、様々なブログや評価を聞く限り、一部不評な意見があるのも理解できます。
個人的にはビールとポップコーンで盛り上がるタイプの映画だと思っているので、
人の好き好きが出るのはしょうがないのではとも思ったりします。
少し前までhulu、Netflixにあったのですが残念、なくなってしまったので
まだ観てなくて気になるとか、また観たいという人は、
itunesやGoogle play、もしくはレンタルでどうぞ。
こんな人にオススメ / 合わない
▼オススメな人
・アクション映画が好き
・ちょいグロも問題ない
・ぶっ飛んだ作品が観たい
▼合わない人
・アクション、グロが苦手
・まったりした作品が観たい
・昔の雰囲気のマッドマックスの方が好き
オススメ、合わないはこのように考えています。
今までのシリーズが好きな方で、特に荒削りだった雰囲気が好きな人には
ちょっと好きになれないと思います。
非常に洗練された作りになっており、雑味を求める方には合わない水でしょう。
また、単純にアクションやグロ系(そんなに描写は無いですが)が苦手な人にもあまりオススメできませんが、新境地を開拓したい場合は是非どうぞ。
あと、過去作品を見ていなくても問題ないです。
一旦この作品から入ってみるのも全くもって良いことだと思います!
ちなみにこんな商品も出ています。
確かにモノクロで観ても非常に楽しいんだなぁ、、、
【ここからはネタバレあり】圧倒的な映像、洗練された脚本・演出、素晴らしい演技
語りたいことが多いのですが、
あんまり間延びしてもいけませんので、サクッと好きなところを書いていきます。
1:圧倒的な映像
PVを観た時からもう何が起こっているのか一瞬わかりませんでした。
公開当時劇場で観たのですが、『あれ、世紀末じゃ無いよな?』と思うのと同時に『ちょっとこの車とか人物たちは何なんですかね??』とあの迫力のある映像に、上手く感想が出なかったことを覚えています。
現に、今作は非常にセットにこだわりがあり、
トゲトゲのついた車とか、車に車が重なってるトラックとか、車に棒をぶっ刺して左右にぶらぶら揺れてる人たちとか、上げだしたらキリがありません!
これはCGをガンガン使うのではなく、できるだけ実写で撮影できるところは撮影しようとした結果、監督たちのこだわりの結果、生まれた迫力です。
映像特典に、撮影風景や監督のインタビュー映像があるのですが、
その内容ですら終始圧倒的な映像で、こちらも必見の内容となっております。
まとめると、製作陣の半端じゃ無いこだわりの結果、あのような圧倒的な迫力のある映像が生まれているということです。
ギターから火を吹いたり、トラックから旋盤みたいなのが出てきたり、何十台のよくわからない錆びた車が走ったりなどなど、こだわりが無ければ出来るわけがありません。
監督のジョージ・ミラーさんはご高齢のはずなのに、こんなにも野心に富んで挑戦的なことを仕掛ける姿勢には、鑑賞中も鑑賞後も感激しっぱなしでした。
2:洗練された脚本・演出
おそらくこの作品を観たときに最初驚くのが、
セリフが思ったより少ないことと、ストーリーが割とスッキリしていることではないかと思います。
これ、実をいうとかなり凄いことなんです。
一見スッキリしたストーリーや少ないセリフですが、
何をしているのか、どのようなシーンなのか、
映像を観ていれば分かりませんでしたか?
それだけ、脚本と演出が洗練されていた証拠です。
セリフというのは多くを語れば言い訳ではありません。
我々もよく体験すると思いますが、話が下手な人は、話が長いか、的を射ていないかのいずれか、もしくは両方をもっています。
話は長ければ言い訳でもなく、短ければ言い訳でもありません。
適切な量と質で伝えられなければなりません。
そこには、ボディランゲージやその場の空気も絡んできます。
この作品ではまさしくそれを非常によく体現しているのです。
例えば、マックスがフュリオサと初めて対峙したとき、彼はジェスチャーで基本的に指示をだしていました(喋れない状況でもありましたが)。ただ、その際のカットや仕草、アクションは非常によく計算されており、彼が今「何を」「どうしたいのか」は確実に観客に伝わっていたはずです。
その後もそうです。
マックスは基本的に口数が少ないですが、その行動で彼が「何を」「どうしたいのか」が我々にも分かりました。
フュリオサも、そこまで口数の多いキャラクターではありませんが、それでも彼女が今「何を」「どうしたいか」は非常によく伝わったと思います。
逆に口数の多めなニュークスはそれはそれでキャラクターとして確率しており、その行動も合間って凄まじい説得力がありました。
このように、細かいところまで計算され尽くした作品であるからこそ、
逆にシンプルに、のみ込みやすくなっているのは驚くべきことなのです。
ここまで出来る作品はそうはありませんし、逆に見れば見るほど様々な発見がある証拠でもあります。
3:すばらしい演技
これ、上げだすと本当にキリがないのですけど、
今回のメインキャラクターである、マックスを演じたトム・ハーディ、フュリオサを演じたシャーリーズ・セロン、ニュークスを演じたニコラス・ホルトはすごい!
本当に役になりきっているし、体も動くし、画の説得力を何倍にも引き出していたと思います。
もちろん、他の方々も非常にすばらしかったです。
リクタスは一発でアホの子だとわかったし、
イモータン・ジョーも見た目は厳ついけど、途中で暇そうにしているシーンでは「意外と寂しいおじさんなのか?」とも思えたり、
武器将軍や人喰い男爵も一目見て「こんなイカれた奴らは早々いないな」と分かりましたw
もう本当に出ていたキャストの方々が素晴らしすぎて、何度見ても飽きないのは個人的には久々でした!
まとめ:結局この作品の良いところって?
散々褒めちぎってきましたが、作品全体を俯瞰して思うことを最後に書いておこうと思います。
様々な感想を見聞きしている中で、よく目につくのはこの作品の「テーマ」についてです。様々な作品でよくとり上げらることですが、作品には大体監督や原作者のメッセージが込められています。
この作品を見て思ったのは
「女性の強さ」「人間の可能性」
だと私は感じました。
冒頭から、イモータン・ジョーの妻たち(ワイヴズ)や、
機械に繋がれて搾乳され続ける女性たち、フュリオサ、物語の後半では鉄馬の女たちなど印象的な女性が登場します。
彼女らは虐げられた存在であり、それでもフュリオサやワイヴズ、鉄馬の女たちのように環境を変えようと、逆境の中でも立ち上がってくるのです。
そこにマックスという一見主人公に見えない主人公が、物語の流れで手を貸し、初めは輸血袋だと言われて血を吸われるだけの存在だったが、クライマックスで負傷したフュリオサに自らの血を提供するという真逆の展開があります。
特にこのマックスの行動については、今までのジョージ・ミラー監督の作品でもよく語られている内容です。
こと今作でいえば、単純なフェミニズムではなく、何かを成し遂げようとする人たちに何をして上げられるか、今自分が何を出来るか、すべきなのかを突き詰めて変革を起こしていく、英雄的行動や英雄譚ではなかろうかと思います。
分かりやすく言えば、「世の中捨てたもんじゃない」かもしれません(さすがに雑な言い方かもしれませんね)。
でも、過去作のベイブやマッドマックス1、2を思い返して見ても割と外れたものでも無いのではと思います。
一見ただのアクション映画と思わせておいて、
様々なシーンを紐解いてみると非常に味わい深く、心に刺さるテーマ性を持った素晴らしい映画だなぁと思います。
と、久々にガチャガチャ書きましたが、
こんな感じで改めて書き続けられればと思います!
本当はhuluとNetflixにある作品(映画、アニメ問わず)を取り上げていきたいのだけど、たまにこんなテンションで書きますw
それはどうかご勘弁を。
では、暑い夏が始まったばかりですが、
体調には気をつけて、楽しい映画・アニメライフを!
追伸:過去作品が気になったらこんなボックスも出てますよ